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針葉樹の庭園利用


 

 

針葉樹は庭園でさまざまな用途に利用されますが、特に代表的な3つの使い方があります。公園や広い庭園では、針葉樹をシンボルツリーとして植えることが一般的です。温帯地域では、小さな庭でも芝生の中央に一本の針葉樹を植えることがよく見られます。多くの針葉樹は規則的でリズミカルな成長パターンを持ち、若木のうちは美しい円錐形を維持し、長年にわたってその形を保ちます。成長速度は広葉樹よりも遅いため、成熟して不規則な樹形をとるまでには長い時間がかかります。また、広葉樹と比べて寿命が長く、非常に大きく成長するため、景観に与える影響が長く続く点も特徴です。シンボルツリーとしての針葉樹は、若木のうちから老木になるまでほとんど剪定の必要がなく、自然な形のまま美しく育ちます。針葉樹をシンボルツリーとして選ぶ際には、樹高、成木時の樹形、樹皮の模様、葉の質感や色など、多くの選択肢があります。この用途では、種子から育てた未選抜の個体が最も多く使われますが、多くの品種(栽培品種)も利用可能です。

矮性針葉樹(成長が遅くコンパクトな針葉樹)は、花壇、ボーダーガーデン、ロックガーデン(岩を使った庭)などでアクセントとして使われます。この用途では、特に品種改良された品種が重要な役割を果たします。というのも、自然状態でこれらの庭の規模に適したサイズの針葉樹は非常に少ないためです。矮性針葉樹には、球形、半球形、幅広い円錐形や細長い円錐形、スリムな尖塔型、広くて平らな円柱形、低く広がる円盤形、岩を覆うように這う形など、多様な樹形があります。また、葉の色も非常に幅広く、遠くから輝くように見えるゴールドやアイスブルー、他の植物と調和する明るい緑や深みのある緑、冬の雪の中で目を引くブロンズや紫色などが揃っています。このように、矮性針葉樹は多彩な視覚効果を生み出すことができるため、庭園デザインの重要な要素となっています。一部の愛好家にとっては、庭づくりの主役そのものとも言える存在です。多くの品種が市場に出回っており、矮性針葉樹は「コレクターズプラント(収集価値のある植物)」としても人気の高いカテゴリーの一つです。

庭園でのもう一つの一般的な利用方法は、生垣、防風林、建物周囲の植え込み、都市部の歩道沿いのプランターなど、大量に植えて植栽群として扱う方法です。これはシンボルツリーや矮性針葉樹のように個々の木の美しさを重視するのではなく、全体の形や密度を重視する使い方です。この用途では剪定が頻繁に行われ、必要不可欠なメンテナンスとなります。そのため、強剪定に耐えられる針葉樹のみが選ばれます。このカテゴリーの代表種には、イチイ属(特にTaxus baccata、Taxus cuspidata、およびその交雑種Taxus × media)、ヒノキ科の各種スギ(Thuja occidentalis、Chamaecyparis lawsoniana、Cupressus × leylandii)、ハイマツ(Pinus mugo subsp. mugo)、および多数のビャクシン類(特にフィッツァービャクシンJuniperus × pfitzeriana)が含まれます。これらの樹種は、剪定によって造形されたトピアリー(緑の彫刻)にもよく利用されます。トピアリーは、シンボルツリーのように個体の魅力を強調しつつも、生垣のように継続的な剪定を必要とする特徴を持っています。生垣やトピアリーでは、ほとんどの場合深い緑色の品種が使われますが、黄色や青色(または斑入りの)品種を使った生垣も見られます。これらの用途では、風景全体の中で樹皮や枝の構造はあまり目立たず、葉の色や形が主役となります。

針葉樹を庭に取り入れる際には、形状や色といった外観だけでなく、植栽環境についても慎重に考慮する必要があります。周囲の植物との相性 、成長に必要なスペース 、建物との距離 、日当たり(直射日光の量や時間帯) 水はけの良さ 、土壌の化学的特性(酸性度やカルシウム含有量) 、これらの条件を考慮すれば、どのような庭の環境にも適した針葉樹を見つけることができます。

 

 著者 : James E. Eckenwalder

 

参考文献

  • Eckenwalder, J.E. (2009) Conifers of the World: The Complete Reference. Timber Press, Portland.
  • Copyright © James E. Eckenwalder, Conifers Garden. All rights reserved.

 

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