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針葉樹とは何ですか?


 

 

針葉樹は種子植物の一群(分類学上は目、亜綱、綱、または門)であり、約3億年以上前の古生代後期に共通の祖先から進化しました。この祖先は、他の4つの現生種子植物グループとは共有されていません。現在、世界中に約550種の針葉樹が分布しており(地域によって分布量や優勢度は異なる)、南極大陸を除くすべての大陸および多くの島々で見ることができます。針葉樹の中にはよく知られたものも多く、特に広く分布しているのは、北半球ではマツ属(Pinus)、モミ属(Abies)、トウヒ属(Picea)、ビャクシン属(Juniperus)(図1)、南半球ではマキ属(Podocarpus)です。これら5つの属だけで約300種を含み、現存する針葉樹の半数以上を占め、針葉樹が存在するほぼすべての地域に分布しています。

針葉樹のほとんど(約15種を除くすべて)は常緑樹であり、温帯や寒冷地でも葉を落としません。被子植物にも常緑樹は多く存在しますが(特に熱帯や暖温帯地域)、通常は広葉樹の常緑樹と呼ばれ、針葉樹の針状や鱗片状の葉と区別されます。針葉樹の多くは針状、鱗片状、または爪のような葉を持ちますが、一部の種はより広い葉を持ち、マツの針葉やビャクシンの鱗片葉とは大きく異なります。しかし、こうした変異があるにもかかわらず、葉の形態の特徴は針葉樹を統一する要素の一つであり、異なる科にまたがって共通する形態が見られます。

「針葉樹(conifer)」という名前は「球果をつける植物」を意味しますが、この特徴はすべての針葉樹に共通しているわけではなく、また針葉樹に限定されるものでもありません。それでも、針葉樹の種子球果の構造は独自のものであり、種鱗と苞葉(しばしば互いに密着している)が球果軸に付着する複雑な構造を持ちます。これは、球果軸に変形した葉(苞葉)が密生し、それぞれの葉の腋(わき)に小枝(種鱗)がある高度に圧縮された分枝型の生殖シュートで構成されるため、「複合球果」と呼ばれます。種鱗は通常、小枝には見えませんが、現生の針葉樹の発生過程や古代の化石針葉樹の構造を研究することで、これらが本来は独立した種子をつける小枝であったことが確認されています。このような種鱗の構造は、他の種子植物グループには見られません。最も類似するのはグネツム類(Gnetophyta)ですが、彼らの種子球果には種鱗がなく、代わりに苞葉の腋に独立した生殖枝が存在します。他の種子植物グループの多くは単純な球果を持つか、そもそも球果を持ちません。

針葉樹は、複合球果や針状または鱗片状の葉を持つだけでなく、独特な木材の構造も特徴的です。針葉樹の木材は、ソテツ類の木材よりも密度が高く、またグネツム類や被子植物の木材とは異なり、導管要素(大口径の水伝導細胞)を欠き、仮道管のみで構成されています。そのため、水の伝導能力はやや低いですが、これはイチョウ(Ginkgo)の木材とも共通する特徴です。ただし、イチョウは扇形の葉を持ち、種子は細長い柄の先に対でつき、苞葉や鱗片を伴わないという点で針葉樹とは異なります。

さらに、針葉樹を他の種子植物と区別する特徴として、花粉の構造が挙げられます。針葉樹の花粉には主に2種類の基本形があります。一つは、マツ属(Pinaceae)やマキ属(Podocarpaceae)の大部分に見られる、2〜3個の翼を待つ種子の形態で、これにはマツ、モミ、トウヒ、そしてマキ属が含まれます。もう一つは、ほぼ球形で表面が滑らかまたはざらついているタイプです。どちらのタイプも、被子植物の花粉に含まれる2〜3個の核よりも多くの核を持ちます。被子植物の花粉は、異なる壁構造や発芽領域、表面の装飾など、多様な形態を持つのが特徴です。一方、ソテツやイチョウの花粉は舟形をしており、グネツム類の花粉には縦に伸びる溝があるものが多く見られます。

以上のように、針葉樹をすべて統一する単一の特徴は存在しませんが、それでも多くの証拠が針葉樹の独自性と統一性を示しています。この統一性は、針葉樹が共通の祖先から進化したことを反映しており、その祖先は現在の針葉樹のみに独特な系統を形成しています。同時に、針葉樹が他の種子植物と共通する特徴を持つことは、3億5000万年以上前に生息していた、種子植物全体の共通祖先の存在を示唆しています

                                                                                                                               

著者 : James E. Eckenwalder 

 

参考文献

  • Eckenwalder, J.E. (2009) Conifers of the World: The Complete Reference. Timber Press, Portland.
  • Copyright © James E. Eckenwalder, Conifers Garden. All rights reserved.

 

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